株式投資のバイブルはノウハウ集より歴史書に近い~S.Aの本棚シリーズ ウォール街のランダムウォーカー~

書籍紹介
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こんにちは!
S.Aです。今回は株式投資をする人達の中でバイブルとも言われているバートン・マルキール著 ウォール街のランダムウォーカーについてご紹介します。

本書には参考程度ですが、著書がお勧めするポートフォリオが記載されております。
そちらを見たい方は、ここをクリックして第三章からご覧ください。

個人的にですが、大変内容の濃い素晴らしい著書ではありますが、アマチュア投資家の方にはおススメする人としない人を選ぶ一冊だと感じてます。

本書の概要

本書の著者 バートン・マルキール氏ですが、1932年生まれ、1964年にブリンストン大学経済学博士号を取得し、その後は同大学経済学部長、大統領経済諮問委員会委員、エール大学ビジネス・スクール学部長、アメリカン証券取引所理事、世界的な投信会社バンガード・グループの社外重役を歴任した正に米国株式市場を知る重鎮です。

そんな、方がこの書を最初に世へ送り出したのが1972年であり、複数回の改編を経ながらも50年に渡って読まれ続けていることは本当にすごいと思います。

本書のタイトルにもある「ウォール街のランダムウォーク」とは、目隠しをしたサルに新聞の相場めがけてダーツを投げさせ、それを選んだポートフォリオを組んでも専門家(プロの証券アナリスト)が注意深く選んだポートフォリオと大差無い運用成果を上げられるという意味らしいです。

なかなか、過激な言葉ですよね。(笑)

そんな言葉から始まる本書ですが、ボリュームの7割程がファンダメンタル分析とテクニカル分析の理論、数々のバブルとその崩壊に至った歴史で構成されています。

そして、残りの2割では、トレンドや著名な投資信託は短期的に利益を上げることができても、長期的には株式市場の指数(s&p 500)にインデックス投資の方が優れている点を説明し、その波に乗り換え続けて利益を出し続けることが、いかに困難なのかを説明し、残り1割に著書がお勧めするポートフォリオを参考までに紹介してます。

まさに株式市場の歴史を知ることにより、自身が株式市場へどのようにして対応していくのかを学べる教科書のような一冊でした。

この本をお勧めする人、しない人

上記のような内容の本書ですが、簡単におススメする人としない人はこんな感じです。

お勧めする人

・米国株式市場の歴史を知りたい人

・ファンダメンタル分析やテクニカル分析について理解を深めたい人

・積極的に株式投資を行っていきたい人

お勧めしない人

・株式投資で難しい話を抜きでしたい人

・株式投資は指数に連動したインデックス投資しかしない人

概要で書いた通り、本書のほとんどは歴史とファンダメンタル分析、テクニカル分析を占めております。
個別株を選ぶにあたって指標となる指数を詳細に書かれているなど、今後に株式投資を積極的に勉強したい人にはかなり有益な書籍です。

一方、かなり深堀した内容ゆえに難しい用語や数式もしばしば登場するため、それを楽しめる人でないと読み切るのは厳しいと思います。

S.A自身、これまでの中でも最もページ数に対して読むのに時間のかかった1冊でした。
寝る前に数ページ読むと、夢の中です(笑)


そして、本書の結論は市場の指数に連動した複数のインデックスファンドを活用したドルコスト平均法が最も優れていると書いてます。
このことは、本書以外にも分かりやすく簡単に読める書籍も多いので、これを学ぶために本書を選ぶ必要はないかなと思います。

株式投資にそこまで本腰を入れるか迷っている方は本書より下記の書籍がおススメです。
S.Aも常々参考にしている書籍の一冊です。

そして、こちらに関連する記事はこちら。S.Aも実践中のレイダリオ式ポートフォリオです。

本書でおススメのポートフォリオ

さて、本書では一例としてインデックス・ファウンドを組み合わせたポートフォリオの一例が記載されております。図書では50代半ば向けとありますが、個人的には30代や40代でもポートフォリオの参考になると思います。

・現金 5%
・全世界債券 27.5%
・US REIT 12.5%
・全米株式 27%
・先進国株式 14%
・新興国株式 14%

全体的に見ると、株式が合計で55%ですが、US REITはs&pと相関性の高い値動きをするため、個人的にはREITと株式でリスク分散されているのか怪しいところです。

ちなみに以前、ご紹介した投資の帝王 レイ・ダリオ提唱の全天候型ポートフォリオは、

・株式 30%
・中期国債 15%
・長期国債 40%
・金 7.5%
・その他コモディティ 7.5%

の構成となっております。
バートン氏と比べて、社債を混ぜた債券で無く国債と限定していますが、概ね同じような値動きなため、大きな違いはないと思います。

株式の割合がバートン氏の方が高くなっている分、リスクを取ったポートフォリオです。
2022年5月10日時点では、米国株式市場s&p500は年初より-16.79%となっております。
国債のETF(BND,TLT)も同様に年初よりマイナスとなっておりますが、レイダリオ式ポートフォリオは金・コモディティが含まれており、こちらは総合コモディ指数 s&p GSCIに連動したETF GSGは年初来+33.7%と増進しております。

バートン氏のポートフォリオの方が躍進力を持っていると思いますが、個人的にリスク分散を重視するので、初心者にはレイダリオ式ポートフォリオの方がメンタル的にも適しているので、そちらがおススメです。

もし、投資信託で行う場合のおススメ銘柄はこちらです。

・株式→eMAXIS Slim 先進国株式
・国債→eMAXIS Slim 先進国国債
・コモディティ→eMAXIS プラス コモディティプラス

まとめ

今回は株式投資をする人達の中でバイブルとも言われているバートン・マルキール著 ウォール街のランダムウォーカーについてご紹介しました。

結論としては、長期でインデックスファンドの銘柄を複数分野に分けて行うというものでしたので、この書籍特有の理論はないですが、ファンダメンタル分析やテクニカル分析、株式市場の歴史を学びたい方にはぴったりの一冊です。

まさに、読む人を選ぶ一冊かなと思います。

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